「デザイン」と聞くと、多くの人はロゴやWebサイト、UIを思い浮かべるだろう。
もちろん、それらもデザインである。
しかし、本当に最初にデザインされるべきものは、もっと手前にある。
それは、企業のMISSION・VISION・VALUE(MVV)である。
私たちは、MVVを単なる企業理念ではなく、「未来の意思決定を設計するもの」だと考えている。
そして、その意思決定の積み重ねが、製品やサービス、ブランドをつくっていく。
つまり、MVVそのものがデザインなのである。
新しいサービスをつくるとき、最初に考えるべきことはUIではない。
誰のためにつくるのか。
どのような課題を解決するのか。
何を大切にし、何を選ばないのか。
その判断基準があるからこそ、サービスには一貫性が生まれる。
デザインとは、最後に形を整える工程ではない。
企業が未来へ向かうための意思決定を設計することなのである。
優れた企業ほど、この構造が明確になっている。
「MISSION」があり、その思想が「意思決定」の軸となり、製品やサービス、組織へと反映され、最終的に顧客体験やブランドとして伝わっていく。

Patagoniaはアウトドアウェアを販売する企業である。
しかし、多くの人がPatagoniaに共感する理由は、製品の品質だけではない。
同社は「We're in business to save our home planet.(私たちは故郷である地球を救うためにビジネスを営む)」というMISSIONを掲げている。
このMISSIONはスローガンでは終わらない。
環境負荷を抑えた素材の採用。
壊れた製品を修理し、長く使い続ける「Worn Wear」の取り組み。
リサイクル活動や環境保護団体への支援。
一つひとつの意思決定が、すべてMISSIONにつながっている。
その結果として、製品だけではなく、企業そのものが「Patagoniaらしい」と感じられるブランドになっているのである。
つまり、Patagoniaがデザインしているのは商品だけではない。
MISSIONを起点に、企業活動全体をデザインしているのである。
Netflixもまた、同じ構造を持つ企業である。
多くの人は動画配信サービスを思い浮かべるが、経営者や組織づくりに携わる人々が注目しているのは、「Netflix Culture Deck」に代表される企業文化である。
自由と責任という価値観を中心に据え、その思想を採用、評価制度、マネジメント、意思決定へと落とし込んでいる。
だからこそ、変化の激しい市場の中でも挑戦を続ける組織であり続けることができる。
サービスをデザインしているだけではない。
組織そのものをデザインしているのである。
PatagoniaとNetflixは、業界も事業内容もまったく異なる。
しかし、その根底には共通する構造がある。
最初にMISSIONがある。
MISSIONが意思決定の基準になる。
意思決定が製品やサービス、組織を形づくる。
そして、その積み重ねが顧客体験となり、ブランドとして社会に伝わっていく。
優れたブランドは、ロゴや広告から生まれるのではない。
思想が、一貫した意思決定を生み、その結果としてブランドになるのである。
FeatUは現在、β版としてサービスを公開している。
その中で、多くの方から率直なフィードバックをいただいた。
「理念には共感する。」
「もっと伝わる言葉がある気がする。」
その言葉を受け、私たちはMISSION・VISION・VALUEを見直した。
理念を変えたかったからではない。
これから生まれるプロダクト。
オウンドメディア。
Spotlightで紹介する人々。
コミュニティで生まれる対話。
そのすべてが、一つの思想につながるようにしたかったからである。
MVVは会社紹介ではない。
未来の意思決定を支える設計図である。
だから私たちは、それもまたデザインだと考えている。
デザインとは、ロゴを描くことでも、UIを設計することでもない。
企業が目指す未来を定め、その思想を意思決定へ落とし込み、製品、サービス、組織、ブランドへと一貫してつないでいくこと。
その営みこそが、本来のデザインである。
だから私たちは、デザインをクリエイティブだけの領域に閉じ込めたいとは思わない。
経営にも。
新規事業にも。
採用にも。
組織づくりにも。
あらゆる意思決定の中心に、デザインは存在している。
だからこそ、FeatUはこれからも、「デザインを、ビジネスの意思決定の中心へ。」という思想を軸に、サービスを育てていきたいと考えている。
FeatU編集部では、これからもデザインとビジネスをつなぐ視点から、新規事業開発、サービスデザイン、ブランディングについて発信していきます。
デザインを、ビジネスの意思決定の中心へ。
その未来に共感してくださる方と、一緒にこのコミュニティを育てていけたら嬉しく思います。
そのコミュニティプラットフォームである「FeatU」は現在、β版として公開中です。
次は、実践のステージへ。