なぜ夏になると「青」が増えるのか――色が人の感情を動かす仕組み

コンビニに入ると、夏は青が増える。

ポカリスエット。
アクエリアス。
サントリー天然水。

広告も、パッケージも、Webサイトも。

気づけば、青。

まるで季節そのものが青く染まったように見える。

でも、それは偶然ではない。

企業が青を選ぶのには理由がある。

そしてその理由は、色そのものではなく、人の感情にある。


私たちは色を「見る前に感じている」

人は情報を読む前に、色を感じている。

たとえば真っ赤な広告を見れば、熱量や興奮を感じる。

黒なら高級感。

緑なら安心感。

そして青は、涼しさや清潔感を連想させる。

面白いのは、そこに説明が必要ないことだ。

「この商品は涼しいです」

と書かなくても、青を見るだけで脳は勝手にそう解釈してしまう。

色は、人の感情に直接働きかけるショートカットなのである。


なぜ夏は青なのか

夏は暑い。

当たり前のことだが、だからこそ人は無意識に「涼しさ」を求める。

そこで企業は青を使う。

青には体感温度を下げる効果があると言われている。

実際、同じ室温でも暖色系の空間より寒色系の空間の方が涼しく感じるという研究もある。

つまり青は、

といった夏に求めるイメージを一瞬で伝えているのである。


ポカリスエットはなぜ青なのか

ポカリスエットの青は、単なるブランドカラーではない。

水分補給。

清潔感。

透明感。

スポーツ後の爽快感。

そのすべてを象徴している。

もしポカリスエットが真っ赤なパッケージだったらどうだろう。

同じ商品でも、受ける印象はまったく違うはずだ。

私たちは商品を選んでいるようでいて、実は色がつくる世界観を選んでいる。


サントリー天然水が伝えているもの

サントリー天然水の広告を見ると、必ずと言っていいほど青空や水の透明感が登場する。

そこに描かれているのは商品ではない。

「冷たい水を飲んだときの気持ちよさ」である。

企業は機能だけを売っているわけではない。

体験を売っている。

そして色は、その体験を最も早く伝える手段のひとつなのである。


色はブランドの意思決定である

優れたブランドほど、色を偶然で選ばない。

コカ・コーラは赤。

スターバックスは緑。

ティファニーは青。

その色を見るだけでブランドを思い出せる。

色とは、企業が世界に対して発する最初のメッセージなのだ。

そして夏という季節において、そのメッセージは「青」になる。


色は感情をデザインしている

私たちは色を見ているのではない。

色を通じて感情を感じている。

涼しさ。

安心感。

透明感。

解放感。

夏に青が増えるのは、企業がその感情を届けようとしているからである。

デザインとは、見た目を整えることではない。

人の感情を設計することだ。

そして色は、そのための最もシンプルで強力な道具なのかもしれない。

次は、実践のステージへ。

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