企業は、何によって選ばれるのであろうか。
価格であろうか。
機能であろうか。
技術であろうか。
もちろん、それらは競争力を支える重要な要素である。
しかし、それだけで長く選ばれ続ける企業になれるわけではない。
世界には、競合より高価格であっても、多くの人から支持され続ける企業が存在する。
その違いは何なのか。
私たちは、その答えを「らしさ」にあると考えている。
私たちは普段、
「Appleらしい。」
「Patagoniaらしい。」
「Netflixらしい。」
という言葉を自然に使っている。
しかし、この「らしさ」は、ロゴや広告だけで生まれたものではない。
製品開発。
採用。
組織文化。
マーケティング。
カスタマーサポート。
企業が日々積み重ねる意思決定の一つひとつが、一貫した価値観によって判断されることで、「らしさ」が形づくられていく。
つまり、「らしさ」はブランドそのものではない。
ブランドを生み出す源泉なのである。
優れた企業には、共通する構造がある。
MISSION
↓
価値観・判断基準
↓
意思決定
↓
商品・サービス・組織
↓
顧客体験
↓
ブランド
↓
競争優位
競争優位は、最初から存在するものではない。
MISSIONによって価値観が定まり、その価値観が日々の意思決定を支える。
その意思決定が商品やサービス、組織文化となって顧客に届けられ、体験として積み重なる。
そして、「この会社らしい」というブランドが生まれる。
競争優位とは、その結果なのである。

Patagoniaは、「私たちは故郷である地球を救うためにビジネスを営む」という思想を掲げている。
その考え方は、製品開発だけではない。
修理サービス「Worn Wear」や、必要以上の消費を促さない広告など、企業活動全体に貫かれている。
だからこそ、多くの人は「Patagoniaらしい」と感じるのである。
Netflixには、「Freedom & Responsibility」という有名なカルチャーがある。
自由な働き方だけを意味するものではない。
採用、評価、組織運営、サービス開発まで、一貫した判断基準として機能している。
その積み重ねが、Netflixらしい企業文化を生み出している。
Appleが提供しているのは、製品だけではない。
UI、パッケージ、店舗、サポートに至るまで、「シンプルであること」という思想が貫かれている。
一つひとつは小さな意思決定かもしれない。
しかし、その積み重ねが「Appleらしさ」をつくり、他社には真似しづらい競争力となっている。
機能は真似できる。
価格も真似できる。
優れたサービスであっても、時間が経てば似たものは現れる。
しかし、「らしさ」は簡単には真似できない。
なぜなら、「らしさ」は一つの施策ではなく、企業文化や価値観、そして日々の意思決定の積み重ねだからである。
だからこそ、人は「この会社だから選びたい」と感じる。
それが、本当の競争優位なのである。
私たちも、FeatUを開発する中で、何度も同じ問いを繰り返している。
「この機能は便利か。」
ではない。
「この機能は、FeatUらしいか。」
という問いである。
作品だけではなく、思考やプロセスを伝える。
デザインを装飾ではなく、ビジネスの意思決定の中心に置く。
デザイナーと企業が、単なる受発注ではなく、互いの価値観を理解しながら共創できる場をつくる。
その思想を軸に、一つひとつの機能やコミュニティを設計している。
まだβ版の小さなサービスだからこそ、「何を増やすか」以上に、「何を大切にするか」を意識している。
それが、私たちの考える「らしさ」である。
競争優位とは、他社と違うことではない。
「この会社らしい」と思われる体験を、一貫して届け続けること。
その「らしさ」は、ロゴや広告によって生まれるものではない。
MISSIONに基づく価値観が判断基準となり、日々の意思決定に反映される。
その積み重ねが、商品やサービス、組織文化、顧客体験へと表れ、やがてブランドを形成する。
つまり、「らしさ」は偶然生まれるものではない。
デザインされた結果なのである。
私たちFeatUは、デザインを装飾ではなく、企業の意思決定を支える営みだと考えている。
競争優位とは、機能や価格だけで築かれるものではない。
企業の「らしさ」を、デザインし続けること。
それこそが、長く選ばれ続ける企業をつくる最も重要な競争力ではないだろうか。
FeatU編集部では、これからもデザインとビジネスをつなぐ視点から、新規事業開発、サービスデザイン、ブランディングについて発信していきます。
デザインを、ビジネスの意思決定の中心へ。
その未来に共感してくださる方と、一緒にこのコミュニティを育てていけたら嬉しく思います。
そのコミュニティプラットフォームである「FeatU」は現在、β版として公開中です。
次は、実践のステージへ。