Designshipから一年。「デザインをビジネス戦略の中心へ」という問いは、会社になった。 

デザインイベントで持ち帰るべきものは、「答え」ではなく「問い」である。 

デザインイベントには、新しい知識や事例を求めて参加する人が多い。

最新のUI/UX。

ブランド戦略。

生成AI。

著名なクリエイターの講演。

もちろん、それらは貴重な学びである。

しかし、本当に価値のあるイベントは、一つの「問い」を持ち帰らせてくれる。

その問いは、数日では答えが出ない。

数か月、あるいは数年かけて向き合うものになる。


「デザインは、本当にビジネスの中心にあるだろうか。」

昨年参加したDesignshipで、強く心に残ったのは、この問いであった。

デザインの重要性は、以前より広く認識されるようになった。

経済産業省は「デザイン経営」を提唱し、多くの企業がUXやブランドデザインへの投資を進めている。

しかし、実際の現場ではどうだろうか。

戦略が決まり、

要件が決まり、

予算が決まり、

最後にデザインが依頼される。

この流れはいまも少なくない。

デザインは重要だと言われながら、意思決定の中心にはまだ十分入り込めていない。

そこに違和感を覚えていた。


戦略とデザインは、本来分けるものではない。

企業が抱える課題は複雑になっている。

新規事業。

DX。

人材採用。

ブランド再構築。

どのテーマを見ても、「正解」を導くことよりも、「何を課題として定義するか」が重要になっている。

この段階において、デザインは単なる制作工程ではない。

情報を整理し、価値を可視化し、人の行動を設計する思考そのものである。

だからこそ、戦略とデザインは切り離せない。

経営者、事業責任者、エンジニア、マーケター、デザイナー。

異なる専門性を持つ人たちが、最初から同じテーブルで考えることが、これからの企業には求められていく。


一年後、その問いは会社になった。

Designshipが会社をつくったわけではない。

しかし、あの日持ち帰った問いは、一年間消えることがなかった。

「デザインを、ビジネスの意思決定の中心へ。」

その考えを形にしたい。

そうして2025年11月28日、コンサルタント2名とデザイナー1名で株式会社FeatUを創業した。

会社を作った理由は数多くある。

それでも、最後の一歩を踏み出す勇気をくれた場所の一つが、Designshipだったことは間違いない。


デザインは、未来を考えるための共通言語である。

デザインは、デザイナーだけのものではない。

エンジニアにも。

マーケターにも。

営業にも。

経営者にも。

「より良い未来をどう実現するか」を考える人すべてに必要な思考である。

制作物だけを評価する時代から、

「なぜ、そのデザインなのか。」

という思考そのものが価値になる時代へ変わり始めている。

デザインは、未来を考えるための共通言語になりつつある。


おわりに

イベントで得られるものは、知識だけではない。

ときには、一つの問いが人生を変えることもある。

昨年持ち帰った問いは、一年後、会社という形になった。

そして、その問いは今も変わらない。

デザインを、ビジネスの意思決定の中心へ。

この問いに向き合い続けることが、これからのFeatUの挑戦である。


■ 編集後記

昨年Designshipに参加した直後にも、当時感じたことを記事として残している。

一年経った今読み返すと、当時は言葉にできなかった違和感が、少しずつ輪郭を持ち始めていることに気づく。

デザインの価値は、完成した制作物だけでは測れない。

「未来をどう考えるか」という問いを持ち続けること自体が、デザインなのかもしれない。



FeatUについて

FeatUは、デザインとビジネスをつなぐプラットフォームです。
ポートフォリオだけでは伝わらない「思考」や「プロセス」も共有できる場を目指し、デザイナーと企業がより良い出会いを生み出せる環境をつくっています。
現在はβ版として公開しており、正式リリースに向けて改善を続けています。

▶ β版 FeatU

https://featu.jp

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